お知らせ

2019.04.26

主リングシンクロトロンの運転休止について

J-PARCセンター

2019年4月24日、3 GeVシンクロトロン(RCS)と主リングシンクロトロン(MR)を結ぶビーム輸送ラインに設置された偏向電磁石B15Dにおいて(図1図2)、磁場強度が約2 % 低下する不具合が発生しました。調査の結果、B15Dのコイルの一部で層間絶縁の劣化が生じていることが判明しました。このままでは安定な運転を継続することは困難と判断し、MRの利用運転を休止して当初7月初旬に予定していた夏期のメンテナンスの開始を前倒しすることにしましたのでお知らせいたします。現在、新しいコイルの製作を進めており、9月には劣化したコイルとの交換作業を行って、11月初旬より利用運転を再開する予定です。
MRのビームを利用するハドロン実験施設およびニュートリノ実験施設のユーザーの皆さんには、多大なご心配とご迷惑をおかけすることとなり大変申し訳ございませんが、何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。
なお、この不具合による放射性物質等の漏えいはなく、施設内及び環境への影響もないことを申し添えます。

 

本件に関するお問い合わせ

J-PARCセンター
加速器ディビジョン 長谷川、内藤
広報セクション 阿部
Tel:029-284-4578

 

補足説明

1.RCSMRを結ぶビーム輸送系におけるB15Dの場所

 

fig1.png.alt

 

2.B15D電磁石の構造

fig2.png.alt

B15D電磁石はビームを15度曲げるための電磁石で、N極およびS極にコイルが組み込まれている。コイルの内部構造としては1段当たり2層(24ターン)のコイルが5段連結されており、総巻数120ターンで1つのコイルを形成している。これが上下の磁極に1つずつ組み込まれており、電磁石1台当たり240ターンとなる。