沿革

  大強度陽子加速器施設J-PARC(Japan Proton Accelerator Research Complex)は、物質中の原子・分子の構造から物質・生命の起源を探る研究、素粒子や原子核の研究から宇宙の始まりの謎を解く研究を進める最先端の研究施設です。ほぼ光速まで加速した世界屈指の大強度の陽子ビームから、中性子、ミュオン、ニュートリノ、K中間子などの多彩な二次粒子ビームを作り出し、多種多様な実験を推進しています。

  J-PARCは、リニアック・RCS(3GeV 陽子シンクロトロン)・MR(メインリングシンクロトロン)の3つの加速器から成る加速器施設と、物質・生命科学実験施設(MLF)、ニュートリノ実験施設、ハドロン実験施設の3つの実験施設及び施設建設を計画中の核変換技術に関する研究に、国内だけでなく海外からも多くの研究者を迎えています。

  J-PARCでは、共同研究者とともに、基礎科学から産業応用まで多様な研究・開発を推進しています。

  J-PARCは、日本原子力研究開発機構(JAEA)と高エネルギー加速器研究機構(KEK)との共同プロジェクトです。

平成13年 2001年 4月 日本原子力研究所(原研:現JAEA)とKEK間で、J-PARCの建設と研究開発に関する協力協定を締結
12月 J-PARC建設開始
平成17年 2005年 8月 J-PARCの運営に関する協力協定を締結
平成18年 2006年 2月 J-PARCセンター設置
平成19年 2007年 1月 リニアックで所期性能のエネルギーを達成
10月 RCSで所期性能のエネルギーを達成
平成20年 2008年 5月 MLFの中性子標的に初めてのビーム受入に成功
9月 MLFのミュオン標的に初めてのビーム受入に成功
12月 MRで当初目標のエネルギー(30GeV)を達成
12月 MLFの利用開始
平成21年 2009年 1月 ハドロン実験施設完成
3月 ニュートリノ実験施設完成功
7月J-PARC中性子線施設が共用促進法の対象施設に指定
11月 T2K実験前置ニュートリノ検出器でニュートリノの初観測に成功
12月 MLFで1パルス当たり世界最高強度のミュオン発生を確認
平成23年 2011年 3月 東日本大震災により停止
平成24年 2012年 1月 運転再開・ユーザー利用開始
11月 MLFで1パルス当たり世界最高強度の中性子発生を確認
平成25年 2013年 5月 ハドロン実験施設の事故
平成26年 2014年 1月 リニアックエネルギーアップグレード達成
平成27年 2015年 1月 RCSで1MW相当の陽子ビーム加速に成功
4月 ハドロン実験施設の利用運転を再開
平成30年 2018年 7月 RCSで1MW相当の陽子ビームでの連続運転に成功
平成31年/令和元年 2019年 9月 J-PARC10周年記念式典・J-PARCシンポジウム2019開催
令和2年 2020年 4月 コロナ禍のため運転・ユーザー利用を一時停止
6月 36.5時間の1MW利用運転を実施
2月 ハイパーカミオカンデ計画の開始
令和3年 2021年 6月 小惑星リュウグウのサンプル、J-PARCで分析
令和4年 2022年 3月 コロナ禍を越え、海外からの利用者が2年ぶりに実験を開始