■ J-PARC News 第133号より       (2016/05) 
●平成28年度J-PARC 5.23 安全文化醸成研修会 (5月20日、原子力科学研究所・大講堂) 
  J-PARCでは、平成25年5月23日のハドロン実験施設の放射性物質漏えい事故を風化させることなく、安全意識を更に高めるための研修会を毎年行っています。今年は、5月20日に、原子力科学研究所大講堂を主会場に、KEKつくばキャンパス、東海1号館ともTV中継する形で開催しました。今回は、JR西日本安全研究所の阿部啓二研究主幹を講師としてお招きし、「航空と鉄道における安全の取組み」との内容でご講演頂きました。阿部主幹は、日本航空において運航安全推進部長などとしてご活躍された後、平成17年4月のJR西日本・福知山線脱線事故を契機に設置されたJR西日本・安全研究所に移られた経歴をお持ちです。研修会では、最初に齊藤センター長が、3年前の事故後に行った安全対策の概要と現在のJ-PARCの安全の状況などを説明しました。阿部主幹のご講演では、日航機墜落事故や福知山線脱線事故の後のご経験などを踏まえ、ヒューマンエラーは起こりうることを前提に、予測・認識・回復能力を向上して事故につなげないようにすることが重要であることなどを、アクロバット飛行でのトラブルからのリカバリー映像などを交えて、お話し頂きました。最後に石井安全統括副センター長から、信頼の喪失につながり得る社会的な怪我と人命にかかわるような大きな怪我を起こさないようにする対策が重要であること、「安全活動は、明るく、楽しく」との取り組み方針についての話がありました。



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●「J-PARCで中性子を探る」 (日経サイエンス6月号に記事掲載) 
  物質・生命科学実験施設 (MLF) の中性子ビームラインBL05に設置されている中性子光学基礎物理実験装置 (NOP) では、中性子寿命 (約15分) の精密測定を行っています。宇宙を構成する元素組成の予想には中性子の寿命が重要な役割を果たしますが、その値にはばらつきがあり、現在その精密測定が海外でも進められています。NOPでは、新たな測定手法による実験が進められており、今回、日経サイエンスの6月号に本研究に関わる記事が掲載されました。
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●KEK-PIP諮問委員会 (5月22-23日、KEKつくば) 
  KEKが研究計画を進めるにあたっての実施計画 (PIP:Project Implementation Plan) について助言を得ることための諮問委員会が、国内外12名の有識者招聘のもと、22-23日に開催されました。J-PARCに関係する4件のプロジェクト:COMET-U実験、J-PARC加速器増強とHyper Kamiokande計画、ハドロン実験施設の拡張、ミュオン施設のH-ライン建設とg-2/EDM実験計画についても議論されました。
   
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●J-PARC中性子生命科学研究会 (5月17-18日、J-PARC研究棟、他) 
「生命科学における中性子利用の現状と未来」
  中性子散乱を用いた研究が生命科学にどれだけの貢献をしており、また今後何が期待されるのか議論を深めるための研究会が、J-PARCセンターと量子科学技術研究開発機構 (QST) 東海量子ビーム応用研究センターの共催で行われ、この分野の一線で活躍する研究者約45名が参加しました。中性子利用の現状報告が京都大学、QST、茨城大学などから行われ、また、MLFにおいて整備を計画している重水素化ラボや、大型タンパク中性子回折装置を切り口にして議論を深めました。

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●G7茨城・つくば科学技術大臣会合特別展に出展 (5月15-21日、つくば国際会議場) 
  先進7カ国 (G7) の科学技術大臣会合が、科学の街つくばで開催され、J-PARCセンターはKEKと合同で同会合特別展に出展しました。会合期間中の15日−17日には、会合関係者や記念シンポジウム参加者が出展ブースを訪れました。15日の記念シンポジウム後には、各国の大臣もブースを訪れ、齊藤直人センター長が、J-PARCで行われている研究や国際的な協力体制について紹介しました。この特別展は、会期終了後も、21日まで一般向けに公開されました。

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●施設の状況
  ■1.加速器運転計画

  6月の運転計画は、次のとおりです。なお、機器の調整状況により変更になる場合があります。

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  ■2.実験施設関連

  物質・生命科学実験施設 (MLF) では、第1実験ホールに建設中の低速ミュオンビームラインのS1実験エリアに、新しい分光器を設置しました。このビームラインでは、2015年10月末に初ミュオンビームの取り出しに成功し、その後、ビームの調整などが進められてきました。今回設置された分光器は、D1実験エリアで稼働中のものと全く同じデザインで、ミュオンスピン回転 (μSR) を用いてバルク試料の物性を測定します。今後、両実験エリアの分光器の開発で得たノウハウなどを共有すると共に、陽電子検出器 (Kalliope) のアップグレードを図りつつ、元素戦略 (電子材料) の研究などを予定しています。
  詳細はKEKホームページをご覧ください。http://www2.kek.jp/imss/news/2016/topics/0523s1/

  ※陽電子検出器 (Kalliope) の詳細については、J-PARC NEWS第95号をご覧ください。http://j-parc.jp/ja/news/2013/news-j1302.html

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●科学技術週間サイエンスカフェ (4月24日、科学技術館・東京北の丸公園内) 
“ニュートリノ変身!?〜ノーベル賞研究が世界を変えた〜”
  J-PARCセンターは、文部科学省が開催の第57回科学技術週間サイエンスカフェに、広報セクションの坂元氏と宇津巻氏が、ニュートリノの話題をテーマにして参加しました。募集人数を上回る34名の小学生から大人までの幅広い年齢層の方が来場し、会場を埋め尽くしました。3種類 (型) のニュートリノを色分けしたスーパーボールであらわした模型や、話の中で次々に出されるクイズなどで、飛行中のニュートリノが別の型に変化 (振動) する謎とその質量との関係を説明しました。子供たちは、地球の裏側からボールを入れると、スーパーカミオカンデでは別の色に変身して出てくる模型に興味津々の様子で、サイエンスカフェの終了後には実際に自分の手で試していました。難しい内容の素粒子研究ですが、少し身近に感じてもらえたのではと思います。

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●SUMI-E PAINTING LESSON  (4月28日、先端基礎研究交流棟) 
  日本原子力研究開発機構国際室とJ-PARCセンターは、外国人研究者らとの交流を深める各種体験教室を開催しています。今回は、日本の伝統的な絵画手法である墨絵の教室を開催しました。参加者の多くは墨絵は初めてでしたが、兎、蛙、葡萄や金魚などテキストを見ながら、各自思い思いに書き写していました。作品は初めてのものとは思えない出来栄えで、それぞれに墨絵を楽しんだ様子でした。

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●梶田隆章先生ノーベル物理学賞受賞記念講演会〜「ニュートリノでつなぐ宇宙と素粒子」〜の参加者を募集しています。 (申し込み期間:5月16日〜6月15日) 
  2015年ノーベル物理学賞受賞の東京大学宇宙線研究所所長 梶田隆章教授による講演会を、7月16日に東海文化センターにて、J-PARCセンターと東海村の主催で開催します。講演会では、実験科学者の梶田氏、理論科学者の東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構長の村山斉教授による講演、及びT2K実験を行うJ-PARCの研究者らを加えた交流セッションを予定しています。 (5月16日より参加者募集中。6月15日締切。抽選制。) 
  詳しくは、J-PARCホームページをご覧ください。http://j-parc.jp/symposium/kouenkai2016/index.html

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●ご視察者など
    5月 20日  文部科学省 高等教育局 国立大学法人支援課 佐藤昭博 課長補佐
    5月 24日  国立研究開発法人 理化学研究所 松本洋一郎 理事
   
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※お詫びと訂正
  4月発行のJ-PARC NEWS 132号の掲載記事、「2.副作用の少ない骨粗しょう症薬剤の開発につながる新たな知見」の挿入図の中で、黄色の破線についての説明は、「水素結合等の静電相互作用」が正しいものとなります。訂正して、お詫び致します。
   
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