■ J-PARC News 第129号より       (2016/01) 
●第3回加速器施設安全シンポジウム (1月27-28日、原子力科学研究所先端基礎研究交流棟) 
  J-PARCセンターは、ハドロン実験施設における放射性物質漏えい事故の教訓から国内外の加速器施設や大学の加速器安全担当者などに呼びかけて、施設の安全確保への取り組みなどについて情報交換と議論を行う安全シンポジウムを毎年開催しています。今回は、加速器実験施設の放射化物の管理や高圧ガス施設の安全管理の議題を中心にしてシンポジウムを開催しました。参加者は、国内関係者約150名となり、講演に加えてポスターによる施設等の紹介も行い、加速器施設の安全についての相互理解と連携を深めました。

  シンポジウムは、齊藤直人J-PARCセンター長の開会挨拶で始まり、まず、「加速器施設における放射線安全と放射化物の取り扱い」のテーマで、J-PARCを含む8研究機関から、それぞれの加速器施設における放射線安全と施設安全に関する取り組みが紹介されました。2日目は、「加速器施設における低温設備・高圧ガス設備に関する安全対策」のテーマで、J-PARCニュートリノ実験施設の超伝導磁石システムにおける安全の取り組み、原子力科学研究所ダンデム加速器でのSF6ガス取り扱い時の酸欠防止対策について報告されました。さらに、「研究機関・大学における安全への取り組み」では、核融合科学研究所における安全対策強化の取り組み、大阪大学における安全管理体制、米国ブルックヘブン国立研究所 (BNL) における安全の取り組みが紹介されました。講演会終了後は、J-PARC物質・生命科学実験施設 (MLF) の見学会が行われ、シンポジウムは閉会しました。


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●第21回J-PARC PAC開催 (1月13-15日、J-PARC研究棟) 
  J-PARC共同利用実験課題審査会 (J-PARC PAC) が、海外からの6名を含む12名の委員を迎えて開催されました。本委員会は、J-PARCの50GeVシンクロトロン (MR) 加速器を主に用いて行う原子核・素粒子実験の実験課題審査会で、J-PARC施設の現状や今後の見通しの報告、ニュートリノ、ハドロン各施設で行われている実験課題の進捗確認、新規プロポーザルの採否審査などが行われました。1日目から2日目の午後にかけて行われたオープンセッションには、多くのユーザーや施設関係者が詰めかけ、各実験課題の発表に耳を傾けました。
   
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●第15回日韓中性子科学研究会 (1月6-8日、韓国釜山 (プサン) ) 
  日韓中性子科学研究会は、2000年に行われた韓国原子力研究所 (KAERI) 研究用原子炉 (HANARO) と高エネルギー加速器研究機構 (KEK) 中性子散乱実験装置 (KENS) の交流から始まったもので、毎年、日本と韓国が交互に開催国を担当し、中性子散乱実験装置および利用研究について議論する国際会議です。韓国は、2010年8月にJ-PARCでの中性子利用実験の促進と利便性などを目的に、韓国J-PARCユーザーセンター (CKor J-PARC) をソウル大学の組織として設立し、2010年10月にJ-PARCセンターとの間で協力体制の覚書を締結し、その後、韓国とJ-PARCの間での研究に関する会議なども頻繁に開かれるようになりました。

  今回の研究会は、韓国側45名、日本側27名が参加し、7日に今回主催となった韓国側を代表して韓国科学技術院 (KAIST) のSung-MinChoi教授によるオープニングの挨拶で会議が始まりました。会議では、口頭講演30件、ポスター講演26件の発表が行われ、口頭講演では、両国の関係者が共同研究成果の状況報告、中性子実験施設であるMLF、J-RR3、HANAROの施設報告、ここ1年間の研究成果進捗状況の紹介など、中性子実験全般についての情報交換が行われました。日本側からの講演では、J-PARC関係者が約7割を占めていました。また、ポスター講演では、優秀なポスター発表者に贈られるポスター賞を、日本からは名古屋大学の磯野まり子さんが受賞しました。会議の最後に、研究会のまとめの報告、プサン国際大学 (PNU) のSungkyun Park教授の挨拶となりました。

  また、7日に行われたビジネスミーティングでは、様々な機会を活用して日韓の研究協力を進めていくことが話し合われ、来年以降の研究会については、2017年は韓国にてICNS (International Conference on Neutron Scattering) が開催されるためビジネスミーティングのみとし、2018年に次回研究会を日本で行うことが決められました。

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●文部科学省 元素戦略プロジェクト‹研究拠点形成型› / 大型研究施設 連携シンポジウム (第2回、1月21-22日、東京大学本郷キャンパス) 
  革新的な材料創生のため、平成24年度から文科省の下に推進されている元素戦略プロジェクトでは、J-PARC / 物質・生命科学実験施設 (MLF) や大型放射光施設 (SPring-8) などの大型研究施設と「京」などの大型計算機との連携・協力において、研究拠点を設けた4つの材料領域 (磁石、触媒・電池、電子、構造) で精力的な研究開発が行われています。会議では、これまでの成果や施設の活用方法、産業界のニーズと学術界のシーズ、課題解決などについての情報交換と活発な議論が行われました。J-PARC関連としては、金谷利治 物質生命科学ディビジョン長が、MLFの近況と中性子・ミュオン科学の現状、最新の成果などについて、門野良典ミュオンセクションリーダーが、セメント (C12A7) への水素照射で現れる電気伝導の起源の解明と題してミュオン実験の成果について、それぞれ報告しました。またポスターでは、MLFでのNOVAを使った物質中水素の研究と材料開発、工学材料解析装置「匠」の試料環境装置、茨城県材料構造解析装置「iMATERIA」による磁石材料研究、SPICAによる中性子を用いた蓄電池研究、MLFによる中性子・ミュオンを用いたサイエンス、MLFミュオン実験エリアにおける元素戦略電子材料研究などが発表されました。

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●加速器運転計画
 
  2月の運転計画は、次の通りです。なお、機器の調整状況により変更になる場合があります。

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●平成27年度第1回住民原子力懇談会 (1月19日、J-PARC研究棟) 
   
  J-PARCセンターと東海村民などとの平成27年度第1回住民原子力懇談会が、NPO法人HSEリスク・シーキューブの土屋智子事務局長の司会のもと、J-PARC研究棟で開催されました。最初に、東海村の原子力防災安全課の担当者から懇談会の主旨説明が行われ、続いて、齊藤直人センター長が、J-PARCとハドロン事故についての概要説明を行いました。その後、昨年4月に利用実験を再開したハドロン実験施設と、他に物質・生命科学実験施設、ニュートリノ実験施設を見学しました。また、村の担当者から東海村の原子力安全行政についての説明が行われました。質疑応答では、参加者からは「施設を見学したことで安全な施設になっていることが分かった」との感想が聞かれました。

  ※原子力を住民同士で考えて安全な東海村を目指す活動を行うNPO法人で、東海村から住民原子力懇談会開催業務を受託しています。

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●“お正月飾り”いけ花教室 (12月18日、原子力科学研究所) 
  外国人研究者と職員などとの交流の場とするいけ花教室が開催されました。今回は、日本の伝統文化の一つで、「新年が良い年になりますように」との思いを込めた“お正月飾り”作りです。若松や葉牡丹などの縁起が良いと考えられる素材を用いて、先生の指導を受け作品を完成させました。J-PARCに滞在の外国人研究者も和気あいあいと参加していました。

  ※日本原子力研究開発機構国際協力室主催、東海村国際センター協力

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●原子力科学館Christmas FestivalでJ-PARCハローサイエンスを開催 (12月23日、東海村) 
〜工作教室「光の万華鏡とクリップモーターを作ろう!」〜
  J-PARCセンターは、原子力科学館が毎年開催するChristmas Festivalで、J-PARCハローサイエンスを開きました。“空の色が時間によって変化する”、“虹は7色”など光の不思議についてお話し、“光の万華鏡”を工作しました。完成した万華鏡を蛍光灯に向け覗き込むと、針穴でかたどった絵模様が虹色にキラキラ輝いて見えました。また、ファラデーモーターや単極モーターなど、様々な原理で回るモーターを展示して参加者自ら触れて動かす体験コーナーを設けました。そして、皆さんに“世界一簡単”なクリップモーターを作って楽しんでもらいました。最初回らなかった子も、先生や親に手伝ってもらい動き出すと、とても喜ぶ様子が見られました。計4回の教室には、予定を大幅に上回る約100人の親子連れが参加する賑わいでした。

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●東海村立村松小学校の科学クラブでJ-PARCハローサイエンスを開催 (1月20日、東海村立村松小学校) 
  J-PARCセンターは、東海村立村松小学校の科学クラブで電池と磁石で作る不思議な世界を披露しました。1月20日、東海村立村松小学校の理科室には、授業を終えたクラブ員が続々集まってきました。銅線のコイルの中を乾電池が走り回り、初めて見る不思議な動きに子供達は興味津々の様子でした。アルミホイルでも塩水でも、電気が流れるところに磁石があれば、力が働き、クルクル回ってしまいます。動くを観察するだけでなく、自分の手で触ってみて、働く力を体感してもらいました。最後に、いろんな動きの種明かしをしました。少し難しかったかもしれませんが、みんなの好奇心は、さらにアップしたのではと思います。
   
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