■ J-PARC News 第123号より       (2015/07) 
●ANSTOと中性子科学分野の相互協力に関する取決めの締結 (7月20日、オーストラリア) 
  高エネルギー加速器研究機構 (KEK) 、日本原子力研究開発機構 (JAEA) 及びオーストラリア原子力科学技術機構 (ANSTO) は、中性子科学分野の相互協力に関する取決めを締結しました。ANSTOは、高性能研究炉OPALを有し、その長年の経験にもとづき、試料環境装置などについての豊富な知見や、多くの中性子ユーザーを集めた高い国際性を持っています。一方、J-PARCは世界最大強度のパルス中性子ビームと高性能な中性子散乱実験装置を有しており、今回の取決めに基づいて研究交流を深め、成果創出を相互促進することを合意しました。
  今回、 5年間の取決めの署名式が、多くのアジア・オセアニアの中性子利用研究者の参加する国際会議 (AOCNS2015) のオープニングで執り行われました。



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●中性子散乱に関する第2回アジア・オセアニア国際会議 (AOCNS2015) 、7月19〜24日、 オーストラリア
  第2回アジア・オセアニア中性子散乱国際会議 (AONSA2015) が、参加者約280名を集め、オーストラリアのシドニーで開催されました。日本からは多くのJ-PARCユーザーやスタッフを含む約60名が参加しました。サイエンスから技術開発、世界の中性子線施設の動向に至るまでの内容の濃い講演と議論が連日行われました。アジア・オセアニア地区の中性子科学連合 (AONSA) が開催するこの国際会議は、2011年に日本が開催地 (J-PARCセンター他主催) となってつくばからスタートしたものです。会議前日には、AONSAの施設長会議および執行委員会が開催され、次回2019年の開催地は台湾のKentingに決定されました。
   
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●中性子産業利用推進協議会平成26年度成果報告会 (7月23日、東京) 
  中性子産業利用推進協議会の平成26年度成果報告会が、7月23日、東京秋葉原コンベンションホールで開催されました。現在、協議会は国内の49研究機関・企業が会員となって活動しており、成果報告会には会員以外の参加者を含めて約150名が参加されました。

  成果報告会は、2つのセッションに分類して行われました。最初の「J-PARC / 物質・生命科学実験施設 (MLF) セッション」では、齊藤直人センター長がMLFの現状を報告されました。その中で今回の標的不具合による運転停止について、ユーザーの方へのお詫びも行いました。続いて、協議会事務局長を務める林眞琴茨城県技監が、MLFでの中性子産業利用の現状を総括し、他に、中性子回折装置BL09「SPICA」及びBL03「iBIX」での結晶構造解析結果などについて2件の報告が行われました。また、「中性子の産業応用セッション」では、日産アーク、豊田中研、本田技術研究所、住友ゴム工業の各担当者から、MLFの中性子実験装置 (BL20、BL16、BL15など) を利用して得られた研究成果報告があり、講演者は会場からの活発な質問に回答をしていました。また、J-PARCへのユーザーからの要望として、安定した運転の声も聞かれました。
   


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●T2K実験、反電子型ニュートリノ出現現象に関する最初の測定結果を発表 (7月23日) 
   T2K実験 (東海-神岡間長基線ニュートリノ振動実験) 国際共同研究グループは、7月23日、ウィーンで開催された欧州物理学会において、反ミュー型ニュートリノが飛行中に反電子型ニュートリノに変化する「反電子型ニュートリノ出現現象」に関する最初の測定結果を発表しました。日本では24日に、KEK物理セミナーが、J-PARC研究棟を主会場に開催され、東京大学宇宙線研究所の田中秀和博士が報告を行いました。
  詳細については、http://www2.kek.jp/ipns/articles/t2k-antinue-first-result/index.htmlをご覧ください。


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●第10回ミュオンg-2 / EDMコラボレーションミーティング (6月25日〜27日、J-PARC研究棟) 
  6月25日〜27日に、J-PARC研究棟において、標記会議が開催されました。会議は、5カ国・18機関から約50名の研究者が参加しました。冒頭、齊藤直人J-PARCセンター長が歓迎の挨拶をし、各講演者から極冷ミュオンビームを用いたミュオンの異常磁気能率 (g-2) および電気双極子能率 (EDM) の精密測定の計画について報告と意見交換が行われました。また、これらの実験を予定するMLFミュオン実験施設Hラインの建設状況の紹介が行われました。初日、午後にはJ-PARC / MLFの見学が行われ、g-2 / EDM実験が計画されているHラインの建設場所などの見学が実施され、計画実現に向けた具体的な議論がなされました。
   


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●50GeVシンクロトロン (MR) の大強度出力試験 (6月29日〜7月1日) 
  MRでは、今年秋以降に予定するニュートリノ実験施設へのビーム強度増強に向けた試験を実施しました。この結果、現行の運転パラメータを基にした試験で370kW以上 (これまで最大約360kW) でのビーム加速に目処が立ちました。また、新しい運転パラメータに基づく試験も行い、いくつかの課題を解決することで500kW程度の運転も可能であるという見通しを得ました。この結果は、現在検討中のビームの入射頻度を増やす計画が実現すれば、1MWを超えるビーム運転が期待できることを示しています。
   
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●請負業者等安全衛生連絡会の開催 (7月24日) 
 
   J-PARCで作業を行う業者の方と、「安全確保を徹底する」という安全意識を共有するために、「J-PARC請負業者等安全衛生連絡会」を立ち上げ、初めての連絡会を7月24日にアトムワールドで、75社80名の参加のもと開催しました。連絡会では、J-PARCで発生した事故・トラブル事例と教訓、J-PARCで作業をする際の注意事項、J-PARCで作業を安全に行うための業者の方からの意見・提案、について報告・議論し、安全意識の高揚に努めました。
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●J-PARC事故時等の通報連絡訓練 (6月下旬〜7月中旬) 
 
   J-PARCセンターは、50GeVシンクロトロン施設、ニュートリノ実験施設、ハドロン実験施設、MLFで、それぞれに、放射性物質の異常放出を想定した事故時通報連絡訓練を実施しました。事故発生にともなう事故現場指揮所や模擬的な対策本部を設けて、電話、ファックスなどによる情報伝達の確認など、事故収束までの一連の工程に対応しました。この訓練で得られた教訓は事故発生時の対応や次回の訓練に着実に反映させていきます。
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●平成27年度MLF全体会議 (7月9日、いばらき量子ビーム研究センター) 
 
   今年6月、物質・生命科学ディビジョン長に、新しく金谷利治元京都大学教授が就任され、MLF全体会議冒頭、自己紹介が行われました。J-PARCセンター長、加速器ディビジョン長が全体概要を報告、MLF各セクションの担当者が進捗状況、研究開発の最新情報、本年度の予定などを報告しました。また、施設利用促進業務を担当する総合科学研究開発機構 (CROSS) が活動状況を、茨城県が県ビームラインの活動状況を報告し、最後には、質疑応答・意見交換など多くの関係者が参加されました。

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●フラワーアレンジメント教室 (6月25日、7月23日、原子力科学研究所) 
 
   外国人研究者等との文化交流活動の一環として、東海村国際センター及びJAEAの主催で生花体験教室が、原子力科学研究所内で開催されました。海外からのJ-PARCユーザーなども、積極的に参加しました。講師の指導の下、お手本として生けられた作品を見ながら、各自が好みの切り花を選んで作品を完成させていました。

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●ご視察者など
    7月 13日
        上田 光幸 文部科学省 科学技術・学術政策局 研究開発基盤課 量子放射線研究推進室長
   
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