■ J-PARC News 第121号より       (2015/05) 
●J-PARC研究棟完成記念式開催 (5月11日) 
  5月11日、J-PARC研究棟完成記念式を日本原子力研究開発機構、高エネルギー加速器研究機構、J-PARC主催で、工藤雄之文科省研究開発基盤課量子放射線研究推進室長、山田修東海村長など多数のご来賓と、建設に係った工事関係各社代表にご列席を頂き開催しました。ご来賓からは、東日本大震災やハドロン施設事故などを経て再び全施設が運転できる状況において、実験施設に隣接する研究支援施設の完成に、祝辞が述べられました。また、安全を最優先とした施設の運転と研究についての要望なども頂きました。工事関係者への感謝状贈呈、銘板除幕、記念植樹なども行われました。



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●タイ王国のシリントーン王女殿下のご視察 (4月23日) 
  タイ王国のシリントーン王女殿下が、日本国内の教育・研究機関ご視察のため来日され、4月23日には東海村内のJ-PARC、いばらき中性子医療研究センターを訪れました。J-PARCでは、物質・生命科学実験施設で二川正敏J-PARC副センター長が施設の概要、中性子やミュオン粒子を利用した実験などについて説明しました。ニュートリノ実験施設も見学され、いばらき中性子医療研究センターでは、次世代がん治療「BNCT」の治療装置などを見学されました。先端的研究施設を見学され、とても感銘を受けられた様子で、今後、タイ王国との研究交流にも期待がもたれます。
   
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●平成27年度J-PARC安全文化醸成研修会 (5月22日) 
  J-PARCでは、ハドロン実験施設の放射性物質漏えい事故を風化させることなく、職員等の安全意識を見直し、更に高めるための標記研修会を毎年、事故の起こった5月23日頃に開くことにしています。今年は5月22日に実施し、招待講演として、関西大学でリスクコミュニケーション論・社会心理学を専門とする土田昭司教授にお話し頂きました。当日は、原子力科学研究所大講堂をメイン会場にして、KEKつくばキャンパスなどとTV中継を行い開催しました。また、当日は、齊藤直人センター長、安全統括を担当の石井哲朗副センター長からの話もありました。

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●光合成色素を合成する酵素中の水素原子の配置を解明、反応機構解明が大きく前進
 - 人工光合成への応用に期待 - 
  茨城大学の海野昌喜教授らの研究グループは、物質・生命科学実験施設 (MLF) にある茨城県物質生命構造解析装置 (BL03・iBIX) を使用した中性子構造解析で、光合成色素の一種である「フィコシアノビリン」を合成する酵素「PcyA」の構造を水素原子レベルで解明しました。PcyA は色素分子上の別々の場所を2段階で還元する複雑な反応を行いますが、酵素の構造中の水素原子を可視化したことで、PcyA が2段階の反応を厳密にコントロールし、フィコシアノビリンを合成することが明らかになりました。今後は、人工光合成システムや光応答センサーへの応用が期待されます。
  この研究は、茨城大学、大阪大学、日本原子力研究開発機構、久留米大学、宮崎大学、久留米工業高等専門学校、丸和栄養食品株式会社、茨城県の共同研究による成果です。
詳細は、ホームページ http://www.j-neutron.com/bl/bl03.htmlをご覧ください。


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●加速器運転計画と現状
  6月の運転計画は下記の通りです。当初予定していた物質・生命科学実験施設 (MLF) の利用運転は、中性子標的容器交換のため中止させていただきます。


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  ※MLFでは、現在、標的容器を1年毎に交換することとしており、今年も7〜9月の夏期メンテナンス期間での交換を予定しておりました。しかし、4月末に容器に欠陥が確認されたため、交換作業を2か月程度前倒しで行うこととしました。利用者の皆様には大変にご迷惑をお掛けし、お詫び申し上げます。詳細は、J-PARC HPをご覧ください。
   
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●MLFの2015B期の課題公募中止のお知らせとお詫び
  MLFでは、2015A期の利用運転を止む無く一部中止したため、この期間に予定していた採択課題などを2015B期に実施することとしました。このため、2015B期の課題公募は中止させて頂きたいと思います。利用者の皆様には、重ねてお詫び申し上げます。
   
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●J-PARC定期検査 (5月25〜26日) 
   
   5月下旬に、国の登録検査機関である公益財団法人原子力安全技術センターによる、定期検査が行われました。25日は、50GeVシンクロトロン (MR) とニュートリノ実験施設の線量測定を、26日にはリニアック施設とハドロン実験施設の排気・排水設備、標識についての検査が実施されました。これは、5年以内に一度受ける定期検査で、線量測定は加速器運転中の決められた場所における放射線線量が規定値以下であることを確認するものです。また、排気・排水設備、標識については、適切な状態で使用されているかが検査されました。
   
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●ハドロン実験施設の利用運転状況
   ハドロン実験施設では、4月24日に利用運転を再開し5月7日朝まで、最大陽子ビームパワー27kWで、ユーザーによる利用実験が実施されました。現在、4つの2次ビームラインと実験エリアが整備されており、各ビームラインで有効にデータ収集が行われました。次回は、6月4日からの利用実験を予定しています。

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●ADSの研究開発に向けた成果 〜 LBE酸素濃度センサーの国産化に成功 〜 
  J-PARCでは、加速器駆動システム (ADS:Accelerator-Driven System) による高レベル放射性廃棄物の減容化・有害度低減のための研究開発のため、核変換実験施設 (TEF:Transmutation Experimental Facility) の建設を計画しています。ADS の陽子ビーム入射ターゲットや炉心冷却材としては、他の冷却材 (水、ナトリウム) と比べ中性子効率が良好で、化学的に安定な液体鉛ビスマス (LBE) が最も優れた材料と考えられています。一方で、ステンレス鋼などの構造材料との共存性に影響を与えるとされるLBE中の酸素濃度をコントロールするため、それを測定するための酸素センサーが必要となります。またセンサーには、破損した場合でもLBEが外部に漏洩しない構造のものが求められ、その開発を進めた結果、センサーの国産化に成功しました。

  TEFのADSターゲット試験施設 ( TEF-T ) では、LBEターゲットに250kWという高出力の陽子ビームを照射して、LBE中における構造材料の健全性試験などを行う予定です。LBEの使用では、酸素濃度を適切に制御して系統機器の腐食を防ぐことが重要です。J-PARCでは、これまで欧州との国際協力のもと、酸素センサーを購入していました。しかし今回、欧州製の白金型、及び、ビスマス/酸化ビスマス型の2種類のセンサーについて、同じ測定原理のものを国内で製作して試験しました。その結果、特に白金型については幅広い温度範囲で良好な測定精度を確認することが出来ました。更に、白金型センサーの実用化に向けた課題として、センサー破損時に外気導入ルートを伝ってLBEが外部に漏洩する可能性がありました。今回、研究開発を進めた結果、特殊な構造をセンサー内部に組み込むことで、センサーが破損してもLBEが漏洩しない構造を実現し、TEF-Tでの使用が見込まれる酸素センサーの国産化が可能となりました。

  今後は、JAEA原子力基礎工学研究センターや大学などと連携し、センサー出力の高精度化、センサー破損率を下げるための基礎研究を行うとともに、LBE試験ループでの実証試験などを進めていきます。


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●ご視察者など
    5月  1日  吉野正芳衆議院議員

    5月  8日  飯村透東海村防災原子力安全課長

    5月 11日  工藤雄之文科省研究開発基盤課量子放射線研究推進室長

    5月 14日  関精一茨城県原子力安全対策課長
   
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