■ J-PARC News 第106号より       (2014/2) 
●物質・生命科学実験施設 (MLF) の利用運転再開 (2月17日) 
  J-PARCは、昨年5月23日に発生したハドロン実験施設での放射性物質漏えい事故以降、全施設の運転を停止していた。J-PARC全体の安全体制を見直し、事故再発防止策などを進め、また、有識者会議での検証や茨城県などの立入り調査が昨年末までに行われてきた。その結果、今回、運転を再開しても安全であると評価を受けたMLFについて、2月17日から利用実験を再開した。当日は、報道関係者へ施設内部を公開し、11社による取材があった。


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●リニアック及び3GeVシンクロトロンの性能確認試験 (平成25年12月中旬〜平成26年2月中旬) 
  リニアックは、昨年のJ-PARC運転停止期間中に、ビームエネルギーを設計値の400MeVに上げるため、新たにACS型加速空洞を設置した。その性能試験を、昨年12月16日からビームを用いて開始し、1月中旬にはピーク電流5mAのビームを加速することを確認した。その後、ビーム電流を上げた試験を進めるとともに、1月末からは3GeVシンクロトロンの性能試験を実施し、リニアックから400MeVで入射した陽子ビームを3GeVまで加速し、取出すことを確認した。


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●MLFの運転計画 (2月17日〜4月6日) 
  MLFでは、利用運転再開に向け中性子実験装置18台およびミュオン実験装置2台について、2013年度B期の実験課題を公募した。課題審査の結果、パーキンソン病発症原因の解明につながる実験など174件が採択され、このうち茨城県が保有する2台の中性子実験装置では19件の実験が予定されている。


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●核変換実験施設の建設に向けて
  昨年開催された文部科学省の群分離・核変換技術評価作業部会では、J-PARCに建設予定の核変換実験施設の整備や、今後の研究開発のロードマップについて審議され、施設の整備に向けた方向性が示された。今回、J-PARCで進めている加速器駆動システム (ADS:Accelerator-Driven System) による核変換実験施設の鉛ビスマス (Pb-Bi) 標的試験装置と施設の建設予定地について、青木愛衆議院議員による視察が行われた。


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●施設の状況
 (1) リニアックでは、MLFの利用運転再開に向けて12日にイオン源の交換を実施した。また、ビーム強度増強に向けた次期高周波四重極 (RFQ) のテストスタンドでは、ビーム加速試験を開始した。
 (2) 3GeVシンクロトロンでは、入射ビームエネルギーの上昇に伴う運転パラメータの確認を実施した。
 (3) 物質・生命科学実験施設では、水銀循環系など設備全般の調整を行い、機器保護系、安全系などの動作確認、ビームライン遮へい体などの復旧作業を実施した。
 (4) 50GeVシンクロトロンでは、入射部でビーム形状を整えるコリメータの増設などを実施した。
 (5) ニュートリノ実験施設 (NU) では、4月以降の運転再開に向け電磁ホーンの交換作業を進めている。
 (6) ハドロン実験施設では、事故再発防止に関わる施設改修工事を実施している。


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●中性子アドバイザリー委員会NAC-2014
  2月10 - 11日、KEK東海1号館で標記委員会を開催した。始めにMLF担当者より施設の概要とここ一年間の進捗状況を報告した。また、昨年発生したハドロン実験施設の放射線事故を受け、特に施設の安全に対する考え方や、安全確保に対する考え方、組織運営、安全システムの構築などについての現状報告も行った。今回は特別に委員2名の方からも、それぞれが所属する米国SNS (核破砕中性子源施設) と豪州ANSTO (原子力科学技術機構) での安全確保に関する取組みを紹介していただき、活発な議論が行われた。


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●第3回ストレンジネス核物理国際スクール2014 (2月13〜19日/J-PARC & 東北大学) 
  国内外の学生、若手研究者を対象とした、ストレンジネス核物理国際スクール2014が、2月13〜19日に原子力機構などの主催で実施された。15日までの前半はJ-PARCサイトで、後半は東北大学が会場となった。スクールは今年で3回目となり、今回の参加者は約50名で、原子力科学研究所の先端基礎研究センター会議室で、講義などが行われた。J-PARCに関わるイベントとして、初日の13日にはオープニングで池田裕二郎J-PARCセンター長による挨拶と施設の概要説明を、14日には京都大学の成木恵准教授 (元J-PARC / KEK) がJ-PARCで予定されるストレンジネス研究などについて講義を行った。また、施設見学では、物質・生命科学実験施設、加速器運転制御室およびニュートリノ実験施設を訪れた。


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●第13回日韓中性子科学会議 (2月16〜20日/韓国Buyeo) 
  アジア圏で中性子利用研究の拠点となる日本と韓国が毎年開催する会議で、それぞれが運用する実験施設の現状、研究成果などの情報交換を行った。口頭及びポスター発表が合計42件、参加者は80名 (日本22名、韓国56名、米国1名、英国1名) となった。


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●ご視察等
     2月  7日    青木愛 衆議院議員
     2月10日    長島昭久 衆議院議員 (核兵器禁止平和建設国民会議議長) 他
     2月12日    Batsaikhan, Munkhbat モンゴル国立大学原子力研究センター研究員
               Than Mai Thingoc ベトナム放射線・原子力安全庁職員
     2月17日    石川昭政 衆議院議員、他衆議院議員13名、及び上月良祐 参議院議員


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