■ J-PARC News 第48号より       (2009/3) 
●ハドロン実験施設K1.8BRビームライン完成
 原子核素粒子実験施設(ハドロン実験施設)は、1月27日に50GeVシンクロトロンからの30GeV(300億電子ボルト)陽子ビームのハドロン実験施設への入射に成功。一旦加速器停止期間を挟 んで、2月10日より二次粒子生成標的および二次粒子ビームラインK1.8BRの運転を順次開始した。ビームライン電磁石群の設定、検出器の調整を行った後、2月11日には、ビーム粒子の通過位置を測定するワイヤーチェンバー及び時間情報を測定するプラスチックカ ウンターでビームの到達を確認し、15日には、7.7m離れて置かれたプラスチックカウンター間の飛行時間の測定に成功し、ビーム中にπ中間子および二次陽子が確認された。また16日からは ビーム中のK中間子の濃度を高める働きをする静電分離装置(ESS)にビーム環境下で初めて高電圧を印加した。
 ハドロン実験施設では今秋の運転再開に向けて、実験装置の設置作業や他のビームラインの建設作業を進めている(KEKトピックス記事より抜粋。詳細はhttp://www.kek.jp/ja/news/topics/2009/J-PARChadronK18BL.html)をご覧ください。

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●産業利用促進に向けた活動:「中性子の産業利用に関する技術セミナー」3月19日
 文部科学省が平成18年度より支援している、中性子を利用した実験や研究の技術支援・実験の「中性子利用技術移転推進プログラム」で、これまでに得られた成果を発表する技術セミナーが東京国際フォーラムで開催された。一例として、複写機メーカからは中性子を利用した 複写機の現像剤粉体流動の可視化などの報告があった。

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●特集:JーPARCを利用して出来ること
< 中性子を用いた残留応力解析 >
 鉄やステンレス等の実用材料は、溶接、曲げなどの加工により内部に残留応力が生まれ歪が残る。この歪の大小及び分布の様子を診断することは、材料の健全性を保つために非常に重要である。材料表面近傍の歪を測定するX線と異なり、中性子は材料内部に残留する歪を回折法により非破壊で詳細に測定する事ができる。

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●施設建設状況
(1) 加速器関連
 3月は、ニュートリノ実験施設のインターロックシステム繋ぎ込みのため加速器の運転を停止し、機器・装置のメンテナンスを実施。
(2) 実験施設関連
 物質・生命科学実験施設(MLF)は、ビームライン、実験装置の整備を継続実施。ハドロン実験施設は、一部遮蔽ブロックを移動して既設K1.8BRビームライン機器のメンテナンス作業を実施、KLビームラインの設置工事を開始。ニュートリノ実験 施設は、ターゲットステーションで電磁ホーン本体への長期冷却水循環試験を実施、DV下流部ハドロンダンプ部埋め戻し、前ニュートリノモニター棟で前置検出器設備の設置・調整作業を実施。また、放射線管理棟、ハドロン実験準備棟、ニュートリノ実験準備棟の建設を継続中。

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●装置製作状況等
(1)  ニュートリノ前置検出器(INGRID検出器)のモジュール1体をモニター棟に設置。
(2)  MLF第2実験ホールの中性子ビームラインBL-21の高強度汎用全散乱実験装置用真空容器を3月6日に搬入。

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●国際諮問委員会開催
 平成21年3月5日から10日にかけて、JーPARC全体、加速器技術、中性子源技術、ミュオン科学実験に関わる国際諮問委員会が原子力科学研究所又は東海駅東口のリコッティを会場に開催された。
 加速器技術諮問委員会(3月5〜7日)、中性子源技術国際諮問委員会(3月5〜6日)、及びミュオン科学実験施設委員会(3月6〜7日)及び国際諮問委員会(3月9〜10日)。

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