■ J-PARC News 第38号より       (2008/5) 
●50GeVシンクロトロン(MR)がビーム入射、周回、取り出しの試験運転に成功
 JーPARCの最終段加速器であるMRは5月19日にビーム試験が開始され、22日22時27分にビーム周回運転に成功した。入射ビームは高周波空胴(RF)で良好に捕獲され1,600mのビーム軌道を1,000回周回し、その後入射ダンプへビームが取り出された。今後は、MRの安定な運転の実現に向けた調整が進められ、この秋には30GeVへの加速試験を予定している。

*クリックすると、大きく表示されます。
Page TOP
●極低温水素循環システムの安定循環試験に成功
 JーPARC物質・生命科学実験施設内に国内で初めて製作・設置した、極低温水素循環システムの安定循環運転に成功した。本システムは核破砕反応で得られる高エネルギー中性子(温度換算で数百億度)を実験に適切なエネルギーにまで下げるためのもので、世界最大級の性能を有している。

*クリックすると、大きく表示されます。
Page TOP
●「中性子産業利用推進協議会設立総会」および「JーPARCが拓く科学・産業技術シンポジウム」(平成20年5月15日)
 東京の日本科学未来館において、「中性子産業利用推進協議会設立総会」および「JーPARCが拓く科学・産業技術シンポジウム」が開催された。総会には49社83名が参加、会長に今井敬 新日鐵名誉会長、他役員が選任、会則等が承認され、中性子の産業利用を広く推進する体制が整えられた。 その後開催されたシンポジウムには約350名の参加があり、電機、鉄鋼、化学、製薬等の各界からJーPARC中性子利用への期待と要望が寄せられた。詳細についてはHPを参照願います。

*クリックすると、大きく表示されます。
Page TOP
●施設建設状況
(1) 加速器関連
 平成20年5月12日からリニアック・3GeVシンクロトロンのビーム試験運転を再開。50GeVシンクロトロン(MR)へのビーム輸送系機器の調整、MRへのビーム入射試験および機器調整運転を進めた。
(2) 実験施設関連
 物質・生命科学実験施設は、ビーム入射に向けた各種機器の調整を継続。原子核素粒子実験施設は電磁石チムニーの組み立て、ニュートリノ実験施設は、ターゲットステーション建家やディケイボリューム地下部工事、モニター棟では前置検出用電磁石ヨークの組立て、据付・設置を実施した。

*クリックすると、大きく表示されます。
Page TOP
●50GeVシンクロトロン(MR)総合調整運転
 50GeVシンクロトロンに設置された大小合わせて600台近い各種電磁石、多数の真空関連機器、ビームモニター等の総合調整運転を実施し、健全性を確認し5月中旬に開始のビーム試験に備えた。

*クリックすると、大きく表示されます。
Page TOP
●50GeVシンクロトロン(MR)及び物質・生命科学実験施設(MLF)の施設検査
 ビーム試験運転前の国の安全審査((財)原子力安全技術センターが代行)が平成20年5月7〜9日に実施され、12日に試験運転の許可を得た。その翌日、MR/MLF管理区域設定が行われ、リニアック・ 3GeVシンクロトロンのビーム調整試験を開始、その後順次MR/MLFへのビーム入射試験が実施された。
*クリックすると、大きく表示されます。
Page TOP
●ニュートリノ実験施設プレス見学会(平成20年5月22日)
 JーPARCニュートリノ実験施設では、T2Kニュートリノ振動実験の「前置検出器用電磁石」が欧州合同原子核研究機構(CERN)より搬入され、5月中旬より順次組立てが進み、前置検出器の縦坑内(直径約20m、深さ約23m)に据え付ける作業が行われている。 作業は、電磁石ヨーク16体(重量:53ton/体)を、既に据付け調整が行われた電磁石架台上に設置するもの。この電磁石は1984年にノーベル物理学賞を受賞したCarlo Rubbia等が関わったUA1実験に使われた由緒ある電磁石で、大型電磁石ヨークが据付けられる。 この機会に、ニュートリノ実験施設の見学会を開催したもので、プレス・テレビ局5社、8名が参加された。他に、ターゲットステーション、一次ビームラインを見学・取材され、当日のNHK茨城の地上デジタル放送で紹介された。

*クリックすると、大きく表示されます。
Page TOP

Copyright 2008 JAEA and KEK Joint Project. All rights reserved.