■ J-PARC News 第2号より       (2005/5) 

●建物建設状況
(1) リニアック棟及び3GeVシンクロトロン棟の建家建築工事が4月に完了した。引き続き、建家内外の電気・機械設備工事の試運転調整が進められている。また、4月からは加速器等の一部機器の設置工事が開始された。
(2) 50GeVシンクロトロンは、A・B工区のトンネルが完成し、残りC・D工区のトンネル工事を継続中。また関連するM2機械棟、D3電源棟、C2機器搬入棟も建家建築工事が4月に完了し、建家内外の電気・機械設備工事を進めている。
(3) 物質・生命科学実験施設では、躯体工事や中性子源装置の組立工事が引き続き進められている。また、原子核素粒子実験施設とニュートリノ実験施設はビームトンネル工事を継続中。

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●3GeVシンクロトロン・偏向電磁石用セラミックスダクトの製作
 3GeVシンクロトロンでは、使用する電磁石に合わせて4タイプのセラミックス真空ダクトの製作を進めている。今回、偏向電磁石用の15度湾曲した形状の長さ3500mmのダクトを製作した。 このような長尺物を一度に焼成することは不可能なため、1/4長のものを焼成し、真空ロウ付けで接合して製作している。また、フランジ溶接のためチタンスリーブも同時にロウ付けしている。 ダクト表面には、モリブデン-マンガンメタライズの焼き付け、及びダクト内面に二次電子放出を小さくするための窒化チタンのコーティングをロウ付け以前に施工している。 今後、真空漏洩試験、チタンフランジの溶接、銅電鋳による銅ストライプの形成及びコンデンサの半田付け工程を経て完成品となる(プロジェクト月報2004年9月号の関連記事をご参照ください)。
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●50GeVシンクロトロン(MR:Main Ring)の速い取り出しキッカー電磁石の製作
 MRの速い取り出し部にはキッカー電磁石が5台設置され、それらはニュートリノ実験ラインへ向けて50GeVビームを引き出すことと、緊急時にビーム加速を中断(アボート)することが求められる。 MRの限られたリング周長の中で、この両方の機能を実現するために、世界に類例が無い「両極性キッカー」を開発した。今回、電源を含めたこれらの装置を5セット製作し、3月末にJ-PARC・D3電源棟に納入した。
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●低真空残留ガスモニタ(RGIPM : Residual Gas Ionization Profile Monitor)の開発
 原子核素粒子実験施設では、遅い取り出しビームの空間分布を非接触で測定するため、残留ガスのイオン化で生じる電子を電場と磁場で集めるモニタを開発した。 モニタを200ガウスの磁場中で動作させ、電子をラーマー半径に閉じ込めることで十分実用に耐えるプロファイルが得られた。今後はさらなる試験と実機製作に向けた仕様の確定を目指す。
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●第2回ニュートリノ実験施設技術助言委員会(ν-TAC)
 第2回ν-TACが4月26-28日につくばのKEKで開催された。委員長E.Blackmore(Chair, TRIUMF)、他7名の専門委員が出席された。 2003年11月に開催の前回委員会以降の、実験施設、ビームライン、機器等の設計やR&Dについての進捗状況が、2日間に亘る多数の講演で報告され活発な質疑応答が建設グループとの間で行われた。 28日午後には、東海研のJ-PARC工事現場で視察が実施された。委員会からの正式な助言は、 約1ヶ月を目処に「報告書」として提出される。
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●第17回先端的中性子源国際協力会議(ICANS-17)
 4月25-30日、米国サンタフェで約200名の参加者を得てICANS-17が開催された。 基調講演では、LANSCEのロングパルスを用いた新ターゲットステーション(0.7MW)計画、ISISの新ターゲットステーション(TS2)計画、IPNS(ANL)の使用済み劣化ウランターゲットの再利用等の報告があった。 J-PARC関係では約40件の報告を行い、アクティビティーの高さを示した。次回の開催は、2007年、中国・北京の予定となった。

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●橋本茨城県知事がJ-PARC建設現場をご視察
 5月6日、橋本茨城県知事がJ-PARC建設状況をご視察のため、東海研に来所された。 田中原研副理事長、戸塚KEK機構長、永宮プロジェクトディレクター、他各施設責任者が加速器施設、実験施設等についての説明を行い、質疑応答をされた後、建設中の各施設を精力的にご視察された。 特に、物質・生命科学実験施設では、実験施設全体の概要について話を聞かれた後、茨城県が整備する2本の中性子ビームラインについて、装置整備を担当している田中茨城大学助教授の詳しい説明に耳を傾けられていた。

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