J-PARC_Center

平成27年10月27日

J-PARCセンター

 

J-PARC物質・生命科学実験施設の運転再開について (お知らせ) 

 

    5月15日及び7月10日にお知らせしておりますとおり、J-PARC物質・生命科学実験施設 (MLF) では、不具合の見られた中性子標的容器の交換作業を行うため、4月30日から利用運転を休止し、その後、当該不具合の原因の調査・特定を行った上で、再発防止に向けた対策を講じてまいりました。

    今般、新たな中性子標的容器への交換を含め、当該事象に係る一連の対策が完了したため、試験運転を実施の上、本日午後9時以降のMLF利用運転再開を予定しております。

    皆様には、ご不便・ご迷惑をお掛けしましたことを改めてお詫び申し上げますとともに、J-PARCセンターとして今後とも安全を最優先とした施設の運営に取り組む中で優れた成果の創出に努めてまいりますので、引き続きご理解・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

     【本件に関するお問い合わせ】 

     <技術的なことについて> 
J-PARCセンター
物質・生命科学ディビジョン (担当:曽山・高田) 
TEL : 029-282-6424

     <報道担当> 
J-PARCセンター
広報セクション (担当:照沼、福田) 
TEL : 029-284-3100

     【補足説明】 

  J-PARC MLFでは、中性子標的容器の密閉容器内部で水分濃度の上昇を検知したため、4月30日から利用運転を休止し、当該不具合の原因について詳細な調査を進めてまいりました。その結果、中性子標的容器の保護容器の組立工程において一部不完全な接合箇所があったため、その後の運転に伴う熱応力により微細な亀裂が生じ、そこから水分が滲出した可能性が高いことがわかりました。本調査結果を踏まえ、今後使用する中性子標的容器ではより強固な溶接方法を採用する等の再発防止に向けた対策を講じてきたところです。

  今般、対策を講じた標的容器への交換が完了したため、陽子ビームの入射による試験運転を実施し、標的容器の状態に問題の無いことを確認した上で、本日午後9時以降にMLFの利用運転を再開することを予定しています。

  <欠陥の生じた箇所>



*クリックすると、大きく表示されます。

     図  中性子標的容器の構造概念図


  <溶接方法の改善>

欠陥の生じた場所と同様の構造を持つ全ての箇所について接合部を削り取り、より強固な溶接方法を採用しました。この方法は、複数回の溶接を重ね、浸透探傷検査で溶接に欠陥がないことを確認しながら溶接施工を進めるものです。

  ※  今回の不具合の原因は、組立工程において拡散接合部に剥離が生じ、運転中にもシール溶接部に亀裂が生じたことで、容器の外に通じるパスが生じたものと考えられる。


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